①「“あがり症の先生”を卒業」

皆さん、こんにちは。
今日は、少し大事なお話をさせてください。

私はこれまで、「あがり症の方の話し方」をサポートする仕事をしてきました。
人前に立つと緊張してしまう、声が震えてしまう、頭が真っ白になってしまう——
そんな方が、安心して自分の言葉で話せるようになる、そのお手伝いです。

もともと私はアナウンサーでした。
だからまずは、「話し方を整えること」を仕事にしたんです。

(ただ、あとになって気づいたことがあります。
アナウンサーとしてよりも、同時に放送局でやっていた「記者」としての経験の方が、実は今の仕事に大きく影響していたということに——これはまた別の回でお話しします。)

起業と同時に作ったのが、「声のカルテ」です。
話し方を多角的な項目で見直すことができるものです。

声の大きさ、話すスピード、間の取り方、
「えー」「あのー」といった癖、緊張したときの状態——
一つひとつを整理して、自分の話し方を客観的に見ることができる。

これは、創業当時からの私の武器でした。

この声のカルテをベースに、
改善点を具体的にお伝えしていく。

そうすると、多くの方が、確実に「話せるようになっていった」んです。

最初の頃は、PTAで自己紹介がうまくできない、という方が多かったんです。
でも、続けていくうちに、少しずつ変わっていきました。

あるときから、
「この言葉で会社の方向が決まる」
そんな立場の方からのご相談が増えていったんです。

ここには理由があります。

正直に言います。
私は、器用ではありません。
たくさんの方を同時に、効率よく教えることができないんです。

そんなとき、起業当初から支えてくれている親友に言われました。
「一人と、ちゃんと向き合えばいいんじゃない?」

この一言が、私の仕事のやり方を変えました。

受講料を見直して、
一人の方と、しっかり向き合う。
時間をかけて、その人の言葉に寄り添う。

そうしていく中で、私は、ある時期から気づいていました。

話し方を整えるだけでは、足りない。
もっと大事なものがある。

それは——
「何を話すか」です。

起業して13年。
私はここで、ひとつ区切りをつけます。

単なる「あがり症の言葉を整える仕事」は、ここで卒業します。

そしてこれからは、
言葉そのものに向き合う仕事へ、進んでいきます。